大手企業が意外とやらかす不良施工!欠陥クリーンルームがつくられるからくり 3

大手企業が意外とやらかす不良施工!欠陥クリーンルームがつくられるからくり

大手企業に頼めば間違いない、と思っている方はたくさんいると思います。

クリーンルームの施工の場合、大手に頼むと、かなり高額な見積もりを出されても、高い分は安心を買っているんだということで納得し、大手企業にクリーンルームを発注する人も多いため、大手企業に施工発注は殺到し、断られるクライアントもいるくらいです。

今回紹介する事例は、大手企業ということだけで、そこにクリーンルームを発注したものの、のちに不良施工が発覚したというものです。クリーンルームの場合、不良施工にあたると、ほとんどの場合は、部分的な修正では済まないため、かなり高額かつ大掛かりな改修が必要になってきます。

高額なクリーンルーム施工で失敗しないためにも、大手企業が不良施工をおこすことがあることを知って、業者選定に役立ててください。

施工会社は業界では誰もが知ってる大手企業だった

「年々、清浄度が落ちてきて困っている」ということで、どうすればいいのかと、先日、弊社に相談が来ました。

さっそく現場に出向き、問題のクリーンルームを一通り見まわし、その問題の原因はすぐにわかりました。

原因は不良施工だったのです。クリーンルームとしては全くのでたらめな設計でした。

つくりは立派で、規模も大きいクリーンルームでした。細部のつくりもしっかりしていました。しかし、クリーンルームとしての基本設計ができていない、なんちゃってクリーンルームだったのです。

そんなことから、大体どういうところが施工したのか、おおよそ見当は付きましたが、クライアントに聞いてみると、やはり、業界では誰もが知っているような大手の建設会社でした。

大手企業が意外とやらかす不良施工!欠陥クリーンルームがつくられるからくり

引き渡し時には全く問題なかった

そこまでめちゃくちゃな設計であれば、引き渡し時に気付きそうなものですが、引き渡し時の検査数値は問題ないし、しばらくはなんの問題もなく使っていたそうです。

しかしながら、半年もしないうちに、クリーンルームの基本性能の目安となる、清浄度の数値がみるみる落ちていき、クリーンルームで生産される製品の不良品も頻発しだしたといいます。

施工主側に相談したものの、初めは使い方が悪いといわれ、フィルターの交換などもしましたが、一向に清浄度が上がらず、最終的には経年劣化だといわれて、見放されたといいます。

確かにクリーンルームは経年劣化が起こりますが、しかし、わずか一年足らずで当初の性能が落ちていくようなことは、考えられません。

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密閉空間とクリーンルームは別物

建設会社はぱっと見の外見は、立派なものを作ります。建設会社ですから、当然といえば当然です。

さらに言えば、密閉空間を作ってしまうと、とりあえず完成時にはいくらでも高い清浄度をたたき出すことができるので、引き渡し時の検査の時も、素人はそれが不良クリーンルームであることを気づくことはできないでしょう。

さらにはそれなりの設備をくっつければ、スペックとしても誰も文句のつけようのないクリーンルームにはなるでしょう。

しかしそうしたクリーンルームは、クリーンルームとしての性能が低いため、使用していくとみるみる清浄度が落ちていきます。清浄度を保てるような設計がなされていないためです。

クリーンルームは目に見えないほど小さなちりやほこりとの戦いの場ですから クリーンルームで大切なのは、目に見えない部分だといっても過言ではありません。陽圧、陰圧、圧力の逃がし方から、クリーンルームを使用している間に生じるチリ埃が、自動的に外に出ていくような設計等々。

そうした部分は、スペック表にも出てこない部分ですが、クリーンルームにおいては、むしろ、そうした部分が非常に重要なのです。

クリーンルーム施工の専門家からすれば、ごく当然のことですが、専門外の人にしてみれば、目に見えない部分なので、そこまで踏まえた設計ができないものです。

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大手企業が欠陥クリーンルームをつくるからくり

ただ、誤解のないように言っておきますが、大手の会社といっても、クリーンルームを専門的に施工している大手会社では、こうしたことはまず起こりません。

ここでいう大手会社とは、大手の建設会社のことです。

今回のクライアントが、こうした欠陥クリーンルームにあたってしまったのは、クリーンルームだけでなく、建物まるごとを全てお任せで建設会社に頼んだことによって起こったのです。

どんなにその建設会社が大きかったとしても、クリーンルームまでを手掛けている建設会社はほとんどありません。よって、クリーンルームの部分に関しては、普通であれば、クリーンルームの施工の専門業者に外部発注するのが普通ですが、大手の建設会社は高度な内装を手掛けているところも多いため、クリーンルームも内装工事の一環として、専門業者に頼らずに、自分たちでやってしまうことが結構あります。

こうして、見た目は立派、スペックは申し分ないけども、性能は最悪の欠陥クリーンルームが作られてしまうのです。

大手企業が意外とやらかす不良施工!欠陥クリーンルームがつくられるからくり 3

会社の大小に惑わされないでください

クリーンルームの専門家でもない限り、クリーンルームを施工する業者の善し悪しを見分けるのは非常に難しい問題です。

かといって、クリーンルームを作ってしまったあとで、実は欠陥クリーンルームだと気づいても、改善修理するというのは、クリーンルームをゼロから作り直すのと同じくらいの予算がかかってしまいます。

では、粗悪業者に当たらないためには、どうすればいいのでしょうか。

一つの方法としては、できる限り、多くの業者と接触し、話を聞くことではないでしょうか。いくらあなたが素人とはいえ、やはり業者の話を聞き比べれば、おおよそ、その業者が専門的な知識を有するかそうでないか、わかってくるとおもいます。

粗悪な欠陥クリーンルームを施工する業者に当たらぬよう、金額だけで判断してしまうのはもちろんのこと、会社の大小だけで判断するのではなく、ご自身で注意深く、業者を精査するようにしましょう。

クリーンルームの施工で失敗をしたくないのであれば、弊社、プリートアイに発注することも、選択肢に考えてください。

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