ペヤングのまるか食品を倒産の危機から救ったのはクリーンルーム？

全国民に衝撃を与えた麺に絡まるゴキブリの写真

ペヤングソース焼きそばといえば、今や日本の国民食といっても言い過ぎでないほど、日本人に古くから広く親しまれている人気のインスタントです。ペヤングと聞くだけで、「おいしい」というイメージが浮かんでくるほど、そのブランド力は確固たるものでした。

しかし２０１４年のある日、そのせっかく育てたブランド力が、一気に崩れ、ゼロどころかマイナスになってしまったのです。

というのも、ペヤングソース焼きそばを購入した大学生が、そのペヤングソース焼きそばの中に、ゴキブリが入っていたのを発見。

あまりの衝撃に、その写真を撮って、SNSに載せたところ、瞬く間に拡散されたからです。

こんな写真をみたら、誰だって、もう、ペヤングソース焼きそばを食べるのが不安になってしまうし、買うのも躊躇しちゃいますよね。

この時、ペヤングソース焼きそばの発売会社であるまるか食品の担当者は、すぐさま、この写真をSNSから削除するように、投稿者にお願いします。

しかし、それが、かえって「不祥事隠しだ！」とばかりに騒ぎが大きくなり、炎上に発展しました。

もちろん、ゴキブリをわざと入れるわけなんてありません。異物混入は事故みたいなものですし、もしかしたら、誰かが意図的に入れたという事件の可能性だってあるわけです。

ですから、まるか食品としては、自分たちに問題があったわけではないであろうことを主張しようとしたものの、今度は、まるか食品のペヤングソース焼きそばを作っている工場の写真が流出。

まるで工業製品を作っているかのように油で汚れた機械に、薄汚れたポリバケツや黒くなった床の写真は、とても食品工場のものとは思えず、多くの人にさらなる衝撃を与えました。

人々がまるか食品、そしてペヤングソース焼きそばに抱くイメージは最悪なものとなってしまったのです。

食べ物は口に入れるものですから、不衛生なイメージが付いてしまったら、それはもう、致命傷です。

そこで、まるか食品は体制を一新するためにと、休業することとなってしまいました。

まるか食品は、そのまま倒産してしまうのではと思った人も多かったのではないでしょうか。

まるか食品の休業によって、ペヤングソース焼きそばは店頭から消えてしまい、もう、多くの人はペヤングソース焼きそばがあったことも忘れかけはじめたであろう半年後、まるか食品は事業の再開を発表しました。

半年もの休業の間、なんと１０億円もかけて異物混入の再発防止策を行ったといいます。

カメラ、センサー、X線などを駆使した異物検査とともに、工場の衛生環境を一新。床の抗菌、壁のコーキング、水封、空気循環、エアシャワーの導入等、そうです。工場ラインをクリーンルーム化したのでした。

以前の工場のラインの不衛生さが強烈だったことの反動もあったのか、クリーンルーム化されたまるか食品の工場によって、ペヤングソース焼きそばのイメージは完全に清潔で、管理されているというイメージに置き換わったのか、その後、当初想定していた以上の注文、売り上げになり、完全に回復したのです。

クリーンルームは空気中の不純物を取り除いた、長衛生的な環境であり、異物混入がおこらないように、徹底的に対策されています。

そうした実際的なメリットもありますが、クリーンルームを持っている工場だ、クリーンルームがあるクリニックだ、という事実は、消費者やクライアントに大変プラスのイメージをもたらします。

実際、まるか食品のペヤングゴキブリ混入事件の数か月後に、日清食品の冷凍食品でもゴキブリ混入騒動が起きました。

しかし、ペヤングほどの大騒ぎにならず、不思議に思った人も多いのではないでしょうか。

以前のまるか食品の工場は不衛生な環境だったため、ゴキブリ混入が必然的なものと捉えられ、将来的にも再発するのではという恐れとともに、騒動につながった一方、日清食品の工場はもともとクリーンルーム化されている工場だったこともあってか、偶発的なものとして捉えられた側面もあったのではないでしょうか。

クリーンルームにすることで、異物混入を１００％防げるわけではありませんが、異物混入の確率は圧倒的に減りますし、なによりも、消費者やクライアントへのイメージは格段に良くなります。

クリーンルームの導入を検討されている方は、クリーンルームの効果には、こうしたイメージの効果も強くあるということを知り、ご検討していただけたらと思います。

もし、弊社にご興味をお持ちいただいたのであれば、ぜひ早めにご相談くださいますことをお願いします。クリーンルームの施工業者はそれほど多くないため、時期にもよりますが、タイミングによっては予約待ち状態になってしまうことが多々あります。